有料職業紹介事業の許可要件
有料職業紹介事業の許可を受けるための許可要件には、次のものがあります。
これらのすべての要件を満たなければなりません。
欠格事由に該当しない
事業主(法人の場合はすべての取締役、監査役)が一定の欠格事由に該当しないことが前提となります。
欠格事項とは、禁錮以上の刑または一定の労働法等に違反して罰金刑以上に処せられて5年を経過しない等のことをいいます。
例えば、不法就労の外国人を雇用した罪に問われて5年を経過しない者は、欠格者となります。
1.職業紹介事業を適正に行なう能力を有するものである
職業紹介責任者の要件
- 未成年者でなく、欠格事由に該当しない
- 法令に従って職業紹介責任者が選任されている
- 生活根拠が安定している
- 健康状態が良好である
- 不当に他人の精神、身体および自由を拘束するおそれがない
- 職業紹介責任者が名義貸しでない
- 成年に達してから3年以上の雇用管理の経験を有する
- 職業紹介責任者講習を受講した(許可申請前5年以内の受講)
- 外国人の場合は在留資格を有する
代表者、役員の要件
- 生活根拠が安定している
- 不当に他人の精神、身体および自由を拘束するおそれがない
- 公衆衛生、公衆道徳上有害な業務に就かせるおそれがない
- 外国人の場合は一定の要件の在留資格を有する
- 国外にわたる職業紹介を行う場合、相手先国の状況や制度について把握し、求人者及び求職者と的確な意思疎通を図ることができる
事業所の要件
- 風営法で規制する風俗営業が密集するなど事業運営に好ましくない位置にない
- 事業に使用し得る面積がおおむね20㎡以上ある
- 求人者、求職者の個人的秘密を保持しうる構造である
- 事業所名が職業安定機関その他の公的機関と誤認を生ずるものでない
適正な事業運営に関する要件】
- 有料職業紹介事業を会員の獲得、組織の拡大、宣伝等の目的の手段として利用するものでない
- 事業主の利益に偏った職業紹介が行われるおそれがあるものでない
- 派遣事業と兼業する場合、求職者の個人情報と派遣社員の個人情報が明確に区別して管理されることなど、一定の要件を満たす
- 徴収する手数料を明らかにした手数料表を有する
国外にわたる職業紹介に関する要件
- 国外における取次期間を利用する場合は、許可を受けたものを利用する
- 国外における職業紹介を行うにあたっては、申請または届出を行なう
- 出入国管理及び難民認定法等関係法令と相手先国の法令を遵守する
2.個人情報の適正管理のために必要な措置が講じられている
個人情報管理体制に関する判断
- 個人情報を取り扱う事業所内の職員の範囲が明確にされている
- 個人情報の適切な取扱について職員への教育が実施されている
- 個人情報の開示、訂正についての規程があり、求職者等に周知されている
- 個人情報の取扱に関する苦情処置についての事業所内の体制が明確にされている
- 個人情報管理規程を遵守し、従業員に遵守させている
- 業務上の必要性がない個人情報を収集してはならない
- 個人情報の保管、使用は収集目的の範囲に限られる
個人情報管理の措置に関する判断
- 個人情報を正確かつ最新のものに保つための措置が講じられている
- 個人情報の紛失、破壊および改ざんを防止するための措置が講じられている
- 個人情報への不正アクセスを防止するための措置が講じられている
- 保管する必要がなくなった個人情報を破棄または削除するための措置が講じられている
- 求職者等から求められたときは、個人情報に関する適切な措置の内容を説明する
- 求職者等の秘密に該当する個人情報を知り得た場合は、特に厳重な管理を行なう
3.財産的基礎の要件を満たす
財産的基礎の要件
- 資産の総額から負債の総額を控除した額(「基準資産額」という)が、派遣事業を行おうとする事業所ごとに500万円以上
- 自己名義の現金預金の額が、150万円に職業紹介事業を行おうとする事業所の数から1を減じた額に60万円を乗じた額を加えた額以上
基準資産額 = 資産の総額 - (営業権+繰延資産) - 負債の総額
- 基準資産額 ≧ 500万円 × 許可事業所数
- 現金・預金の額 ≧ 150万円 × ( 事業所数 - 1 × 60万円 )