いよいよ大詰め!労働者派遣事業報告書 提出期限迫る!
いよいよ大詰め!労働者派遣事業報告書 提出期限迫る!
東海地方で流れているラジオCMです。
「事業主の皆さん
社会保険の算定基礎届と労働保険料申告のご相談は
お近くの社会保険労務士へ
あなたのために
♪社会保険労務士(しゃかい~ほけん~ろ~むし)
(↑最後は軽快なメロディのサウンドロゴ)」
ラジオを流しっぱなしの朝の目覚めは、最近このCMから始まります。
詳しく調べてみると、愛知県社会保険労務士会が岐阜県会、三重県会と合同で、
今月28日までの平日に流しているスポットCMだそうです。
というわけで今、社労士事務所はまさに繁忙期となっております。
さらに加えて、労働者派遣事業の許可を取得している事業主様にとっては、ひとつの山場、労働者派遣事業報告書の提出期限である6月30日も近づいてきました。
労働者派遣事業の許可を取得している事業主には、毎年、次の3種類の事業報告等の提出義務があります。
①労働者派遣事業報告書
(年度報告)(6月1日現在の状況報告)
②労働者派遣事業収支決算書
③関係派遣先派遣割合報告書
それぞれの提出期限は、①が6月1日から6月30日。
②と③が事業年度経過後3か月となっています。
②と③は、それぞれの事業主の決算月の違いにより提出期限が異なりますが、①は決算月にかかわらず統一された提出期限となっており、今まさにその期限が近づいてきました。
なお、許可を取得しているものの派遣実績が全くない場合でも、これらの提出義務はありますのでご注意ください。
社労士事務所がこれら事業報告書等のお手伝いをさせて頂く場合、大きく分けると次の2パターンが考えられます。
1つめは、必要な情報を資料や、直接のヒアリング(電話、メール等含む)にてご提供頂き、事業報告書等の作成を私どもでさせて頂くパターン。
2つめは、作成された事業報告書等を労働局への提出前に、私どもで確認させて頂き、不備等があればお伝えし、修正・加筆をして頂き完成させるパターン。
以上の2パターンで進めさせて頂いております。
現在、前者のほうのご依頼案件は、ほぼ完了し労働局へ提出済み。後者パターンでのご依頼が佳境に入っておりまして、本日も電話等で多くのご質問を頂きました。
そこで今回の当コラムでは、まさに提出期限ギリギリのこの時期だからこそ、タイムリーに多く寄せられているご質問をピックアップして解説させて頂きます。
○労働者派遣事業報告書(様式第11号)
・第1面
8「事業年度の開始の日及び当該事業年度の開始の日」
今回の年度報告の報告対象期間を記載します。
事業年度の開始の日(事業を事業年度の途中で開始した場合には、その開始の日)、及びその事業年度の終了の日(事業を事業年度の途中で終了した場合には、その終了の日)を記載します。
具体的には、次の早見表を参考にして下さい。
令和5年 事業年度の開始の日及び当該事業年度の開始の日
3月決算 | 令和4年4月1日 ~ 令和5年3月31日 |
4月決算 | 令和4年5月1日 ~ 令和5年4月30日 |
5月決算 | 令和4年6月1日 ~ 令和5年5月31日 |
6月決算 | 令和3年7月1日 ~ 令和4年6月30日 |
7月決算 | 令和3年8月1日 ~ 令和4年7月31日 |
8月決算 | 令和3年9月1日 ~ 令和4年8月31日 |
9月決算 | 令和3年10月1日 ~ 令和4年9月30日 |
10月決算 | 令和3年11月1日 ~ 令和4年10月31日 |
11月決算 | 令和3年12月1日 ~ 令和4年11月30日 |
12月決算 | 令和4年1月1日 ~ 令和4年12月31日 |
1月決算 | 令和4年2月1日 ~ 令和5年1月31日 |
2月決算 | 令和4年3月1日 ~ 令和5年2月28日 |
6月決算の場合は、ほぼ2年前に対象期間の起算日が遡ります。
なお、前年の6月以降に新規で許可を取得した事業所は、許可日以降5月31日までに決算期が到来していない場合は、この欄は空欄となり、今回は報告対象期間が存在しないことになります。
報告対象期間の誤り、意外と見受けられます。ここを誤ると以降の数値のカウントにも影響しますのでご注意ください。
・第2面
(1)派遣労働者数等雇用実績(実人数)
「年度報告」において、この欄以外の項目は報告対象期間を通しての数を入れますが、
この欄は「報告対象期間末日現在」の数を記入します。
期間全体を通しての延べ人数を記載するなどの誤りが、多く見受けられますのでご注意下さい。
以下、誤りの多い項目です。
①全労働者:派遣労働者以外の労働者も含めた、その事業所全体の労働者の実人数を記載します。
「同じ職場に1年以上派遣見込みの者」:雇用契約期間が1年以上であり、かつ、その派遣労働者の同じ職場での派遣就業に係る派遣契約が通算して1年以上ある派遣労働者のことをいいます。
・第2面
(3)派遣先に関する事項
②労働者派遣契約の期間別件数(延べ件数)
期間内に締結した労働者派遣契約(個別契約)の延べ件数を記載します。
1つの労働者派遣契約において複数の派遣期間がある場合は、それぞれの期間別に計上した件数を記載します。
最も多かったご質問は、例えば3月末決算の事業所で、「令和5年4月1日からの派遣契約を3月中に締結した場合はどうするのか?」
答えは明快で、報告対象期間内に「締結した」件数を計上するので、この場合は今回の事業報告の対象となります。
基準は、締結した日になりますので、実際の派遣期間は関係ありません。
以上、最近多く受けたご質問からピックアップして解説させて頂きました。
提出は正本1部、副本(正本の写し)2部となります。
また、労働者派遣法第30条の4第1項の労使協定を締結している場合、いわゆる派遣労働者の同一労働同一賃金に関して「労使協定方式」を採用している場合は、その労使協定を添付するのも忘れないでください。
さらに労使協定の中で、「就業規則による」等規定している場合は、その引用している就業規則などの該当部分の添付も必要です。
残り僅かな日数となりましたが、提出期限厳守に向けて頑張っていきましょう。