「派遣労働者の待遇改善に向けた対応マニュアル」が公開されました。
3月1日、厚生労働省から「派遣労働者の待遇改善に向けた対応マニュアル」が公開されました。
派遣労働者の同一労働同一賃金についてすでに「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(労働者派遣業界編)」が公開されていますが、「派遣労働者の待遇改善に向けた対応マニュアル」は派遣元に対する調査や事例収集の結果に基づいて派遣労働者の待遇改善をはかるための施策やノウハウはまとめられたものであり、派遣元が直面する「困りごと」とそれへの対応策が場面ごとにコンパクトに整理されています。
マニュアルの構成は、第1章「派遣労働者の待遇を決める上での困りごと」、第2章「待遇決定における困りごとへの対応策」ですが、第1章で「困りごと」の類型が紹介され、第2章でテーマごとの対応策について触れられています。具体的には、以下の内容となっています。
• 労使協定方式の場合
• 派遣先均等・均衡方式の場合
• 過半数代表者の選出手続き
立候補者が現れず代表者を選出できない(労使協定方式)
代表者を決めるための投票が過半数集まらない(労使協定方式)
• 比較対象労働者の情報提供
派遣先の情報が不十分で、待遇を検討できない(派遣先均等・均衡方式)
• 派遣先との派遣料金の交渉
派遣先に料金交渉の必要性を適切に説明することが難しい
派遣料金の引き上げに応じてもらえない
• 派遣労働者に対する待遇内容等の説明
待遇決定の仕組みを派遣労働者に説明することが難しい
賃金見直しに対する派遣労働者の不満を解消できていない
• 待遇決定とその運用
各人の業務の内容や能力を待遇に反映させる仕組みができていない(労使協定方式)
派遣先によって評価基準が異なり、統一した基準で評価ができない(労使協定方式)
派遣先の人事評価結果の妥当性を判断できない(派遣先均等・均衡方式)
上記のような具体的な「困りごと」について、完璧な自社の対応策を持っている人は少ないと思いますので、ぜひマニュアルをヒントに実務に対応していきたいものです。