労働者派遣法の改正案について
「労働者派遣法改正案」が国会に上程され、厚生労働委員会で審議されています。今年は労働法改正ラッシュの年であり、パートタイム労働法、労働安全衛生法などの改正が目白押しですが、派遣法も改正の目玉となります。
派遣法改正案の主なポイントは、次の3点です。
(1)特定労働者派遣事業の廃止(許可制の一般労働者派遣事業への一本化)
(2)新たな期間制限の考え方の導入(政令26業務の廃止、派遣労働者単位と派遣先単位の期間制限)
(3)派遣労働者に対する雇用安定措置
これらの改正内容のうち、特に(1)と(2)については派遣会社のビジネスモデル自体の変更を強いられる点になりますから、今から確実な対策を講じていく必要があります。
同時に派遣会社が注意すべきなのは、(3)です。法改正後は、派遣労働者に対する雇用安定措置として、以下の点が求められることになります。
- 派遣先への直接雇用の依頼
- 新たな就業機会の提供
- 派遣先事業主における無期雇用
- その他安定した雇用の継続が確実に図られると認められる措置
改正案ではこれらのいずれかの措置を「講ずるものとする」とされており、「~する努める」「~配慮する」ではなく、事実上の義務規定とされているため、今後の派遣実務の大きな関門になってくるはずです。
国会の審議日程がタイトなことから、今国会で改正案が成立するかは流動的な部分もありますが、少なくとも秋の臨時国会では成立し、予定通り来春から改正法が施行される可能性が高いといわれています。
最新の情報収集と早めの実務対応に努めていきたいものです。