固定残業代をめぐる最高裁の判断について(国際自動車事件)
残業代の計算にあたって「歩合給」が問題となることがありますが、歩合給の中から残業代を控除することが許されるかどうかをめぐる最高裁の判断がありました。
タクシー会社のケースである国際自動車事件では、地裁、高裁を経て、最高裁まで持ち込まれましたが、最高裁の判断は高裁への審理差し戻しでした。
今回の最高裁の判断は、「労働基準法37条は,労働契約における通常の労働時間の賃金をどのように定めるかについて特に規定をしていない」としている点などは、大きな示唆を含んでいると思われます。
タクシー業界とは異なりますが、人材ビジネス業界でも「固定残業代」や「歩合給」が問題となることもあります。
ひとつの方向性を示した裁判所の判断として、参考にしていきたいものです。
国際自動車事件(最高裁判所第三小法廷 平成29年2月28日)